私――愛原ほたるは
恋をした事がありません。

今も
好きな人なんていない。


「今日一緒に行こうよ~」

「ねぇ、お願い!」

「行こうよ、敬太」


ナナミ  ケイタ
七海 敬太君。

このクラスで
一番人気の男子。
いつも女子達に囲まれて
休み時間は
ラブレターや告白を受けている。

確かに外見はカッコいい。
彼氏だったら自慢出来る程。


「行かない」


嫌でも
聞こえてしまう
彼らの声や言葉。

耳を塞ぎたくなった。