春彦の異様な態度もそうだが、嶺のこの一言には、私も驚かずにはいられなかった。 肩書だけだと言ったのはむこうなのに、何だ、『一緒に帰ろう』って。 ぽかんとしてバッグの持ち手を握っていると、嶺は寄り掛かっていたドアから離れ、私の腕を掴んだ。 「ホラ、早く」