溺愛レッテル

「まだ承諾したわけじゃないわ。呆れた話ならすぐにでも帰る」

そう言いながら、手近に落ちていた石を拾って、思いきり茂みのほうへ投げつけた。

ガサッという草の音に紛れて、蝶のような虫が一匹飛んでいく。

「わぁかったわかった。全く、気が粗いんだから」