溺愛レッテル

私がさっきまで予想していたのと全く同じ『犯人像』を、春彦もまた、考えたのだろう。

春彦は私のことを、真に心配してくれていた。

でも、違う。
この事態も怪我も、決して嶺のせいではない。

春彦の言葉を心中で否定しながら、ふと、ひらめいたように思った。

『嶺にはバレないようにしなければ。』