医師は話を続ける。
「渡辺さんは一生酸素が必要です。酸素がないと倒れてしまいますから。肺高血圧症になってしまうと予後は悪いんです。5年くらいと言われています」
!!??
「あと5年しか生きられないということですか?」
「長くてでしょうね」
「まさか、それを本人に言ったりしてませんよね?」
「その事は言っていません。やっかいな病気ですから、覚悟してもらわないといけないのです」
「母は精神的にも弱いんです。一生治らないとか言わないでください。私に言えばいいことでしょう。先生方が治るという言葉を使わないのは知っていますが、治らないと言う必要はないではないですか!希望がないじゃないですか!生きていこうと思えなくなるの当たり前です!」
こんな医者にもう何を言っても通じない。
苦情を聞いてくれるところにいこうと思った。


