余命5年と言われて(膠原病)


若い女性が手術室に入った。


「私はもう2回目だから」
車椅子のおばあちゃんが言う。
施設から来てるみたいで、しきりに付き添いの人に「忙しいのに早くして欲しいね」と言っていた。
看護師にも「この人は忙しいから早くして」と。


若い女性の手術は長くかかっていた。
白内障なら10分くらいで済むけど。


おばあちゃんが呼ばれて、次が母だ。
母の次に待ってる人で最後。
母の次の人は糖尿病の60代の女性だ。
なかなか難しいみたいだ。
「数値が落ち着いてるうちに手術して欲しいのに」などと言っている。
安定していないと手術が出来ないのだ。


手術が終わった人は、隣の部屋へ。
そこにはベッドの代わりにひとりひとりの立派な椅子が置いてある。
30分はそこで安静にしていなければならない。


母が手術室に入り、付き添いの私は隣の部屋へ移動。
付き添いは普通の椅子に座って待つ。


若い女性は泣いていた「痛かった。痛かった」と。