遠い君へ。

集まったメンバーは7人。
あずき・あたし・照くん・永人くん・デブ男・野球少年・←その彼女
野球部の彼女は他校。
デブ男はクラスのムードメーカーだけど、どうしてここに来たのか分からない。
【ごめん!こいつ俺が誘った!】
照くんはデブ男を指さした。
【この映画みたくて来ちゃった!席の幅取っちゃうけど許して!】
何ともふくよかな顔だろう。
「なんて呼んだらいい?」
【義男だからよっしーとかがいいかもー!】
「よっしーか!オッケー!」
映画は12時半から上映だから、それまで自由行動になった。

【永人が腹減ったらしいから俺たちフードコートに行くね!】
【うちも食べてない!】
「あずき食べてないの?」
【うん。実は寝坊した】
あずきと永人くんのお腹を満たすために、フードコートに向かうあたし達。
よっしーもあたし達についてくる。
照くんとあずきは仲良さそうに一昨日のドラマの話をしている。
そのままエスカレーターに乗り、二人の後ろにはよっしーが、その後ろにはあたし。
その後ろに永人くん。
あたし達って仲直りしたのかな?
そもそも男子を誘ったのは、永人くんとあたしが仲直りをしてほしいからっていうあずさなりの意図があったから。
朝会ったときに少しだけ会話をしただけで後は目も合わない。
エスカレーターを下りて、あたしの隣を歩く永人くん。
何かしら話したら、前みたいな関係に戻れる気がする!
「あのさー、」
・・・無視かよ。(笑)
声小さかったかな?
はぁ…でもなんて言おう。
【なに?】
聞こえてたんだ。時間差!(笑)
「あ、あぁ…。んーとねー、」
【ねぇ!聞いて!!咲今日5時に起きたんだって!!!!】
あずき!別に言わなくてもいいのに!
【え!?5時!?俺なんか8時だよ】
【うちも】
「8時!?よく間に合ったね!!」
【だからか!】
照くんはあたしの上から下までじっくり見て、
【あー。だからか!時間かけておしゃれしたんだね。
いつも学校でスカート長いし、化粧したところも見たことなかったからすんげー似合ってると思うよ!】
「げっ!!!超嬉しい!!どうしよう…!ありがとう!!照くん!!」
本当に嬉しい。
照くんは褒め方が上手だよな~。だから女子からモテるんだよ!
フードコートに着いたあたし達は、それぞれ食べたいお店に並んだ。
【咲は何食べたいの?】
「あたしラーメンとか色々がっつり食べてきたから特に何もいらない」
【って言いつつ本当は?】
「何でも食べられる」
【でも?】
「太るから食べない」
照くんは【ずいぶん息が合った会話だな(笑)】
って笑いながら言ってきた。
「彩子ちゃんって知ってる?」
【うん、知ってる知ってる!】
「その彩子ちゃんが食べ過ぎると太るって言ってたから」
【おい、今の聞いたか?】
照くんはよっしーのお腹を叩いた。
【やばいよこの腹!】
パンパン!(笑)
でもよっしーは痩せてもかっこよくならなさそう。
あはは~失礼しました!笑

それからあたしたちは席に着いた。