「いってきまーす‼」私は家を出た。こうしてみると、意外と寂しい。高校1年のデカイ私でも、いい想い出がなくても、やっぱり悲しいのだ。でも、これからっだよね!上の真っ青なソラを見て私は歩き出した。それから1時間して学校に着いた。
確か、学園に入る前に荷物を置いてこいって昨日言ってたよね。どこに寮があるんだろ。
「~アーだこ〜だ」そうしたら、先生らしき人がいた。誰かと喋っているみたいだ。聞いてみよう。
「あの…すみませんが、寮までの道を教えてください。」
「あー、先生から道聞いてないの⁇」
「はい。」
「ふーん。じゃあ教えるけど地図あそこにあるだろ。自分でやれよ。今度からは‼」はぁ⁈地図見て皆間違えないわけないじゃん!1年生だからさ、せめて2日ぐらいは教えてよ。
「はい。お忙しい時間にありがとうございました。」なんか、がっかりした。もっとステキなカンジの学校かと思った。
「ここだ」下を向いていた私は上を向いて言った。そしたら…
「間違えたな。」私はどうやら道を間違えたらしい。だって、あんな寮のはずない。そこのボロ屋敷は無駄に大きく、無駄にボロい。庭らしきものは雑草がぼうぼうに生えていて屋敷の周りがほぼ木で覆われている。
「ちょっとあなた!」ボロ屋敷のおばさんが私に話しかけた。
「ハイ」
「そんなところでボーッと突っ立ってないでお入りなさい。」このおばさんは何を言っているんだろう。やっぱり変人なのかな?
「えっ、私…違うんですが…」
「あなた生徒さんでしょ?あそこの学園の!ここが寮よ⁈」
「えっと…ここが寮なんですね⁇」私は思わず聞き返してしまった。どうやら、このボロ屋敷は寮ならしい。
「そうよ。さ、入りなさい。」
私はボロ屋敷おばさんに言われて中へ入った。中はそこまでひどくなく、十分に暮らしていけるスペースだ。
「あなたの部屋は何号室⁇名前は⁇」
「あっ、102号室の青谷アミです。」私はこの学園の人でも、いい人がいるんだと感心した。ボロ屋敷おばさんって言って悪かったな。
「102号室なの⁇ホントに⁇」ボロ屋敷おばさん…イヤ、寮のおばさんがゆっくりと聞く。
「はい。」
「そう、あなた凄いのね。案内するわ。」何が凄いのねなんだろう。ま、いっか。
「はい。よろしくお願いします。」
「102号室は他の部屋より遠いんだけど…あなた以外に後2人いるの。部屋にいるわよ。どっちも優等生!あなたもね!」私が優等生!⁈嬉しい!あ、逆の優等生か。
「はい。青谷アミ頑張ります。」
「素直ね。あなたはいつも!ハイ、ここが部屋よ。分からないことがあったら、いつでも寮長室にいらっしゃい!」
「はい。ありがとうございました。失礼しました。」
「あっ、学園は8時25分から始まるわ。」寮長さんは私にそう伝えて出て行った。
「トントン。」自分の部屋だが一応ノックする。
「はい。」
「あっ、青谷アミです。102号室の部屋に入ります。」
「あー、青谷さんね。よろしく。私は高碕千恵。」
「よろしくお願いします。」
「そんな硬くならないで!レイナちゃん!あなたも来なよ。」
「えっと、秋川レイナです。よろしく。」あっ、あの自己紹介のときの子だ。
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
「アミさん、あなたどう勉強していたの⁇家庭教師?家庭学習?それとも、元から頭がいいとか?」千恵さんが質問攻めに聞いて来る。
「元から頭がいいなんてあり得ないよ。中学1年から塾に行ってたの。私的には、家庭学習の方が良かったんだけどね。親が無理矢理進めたものだから。でもどうして⁇私の勉強事情なんて知っても面白くないじゃない⁇」私は不信に思って聞いた。
「青谷さん、あなた何を言っているの⁇あなたは入学試験で一番の成績をとった人でしょ?そりゃ、気になるわよ。」
「えっ、一番って学年最下位の⁇」
「あなた大丈夫なの?学年1位に決まってるわよ。」この人こそ、頭大丈夫なの?だ。だって、朝6時に起きて毎日2時間勉強してやっとの学園だったのに。まずあり得ない。
「私がそんな立派なこと出来るわけないわ。」
「まだそんなこと言っているの。じゃあ、学園に行って確かめて来ましょうよ。」
「えっ、」その言葉で千恵さんは本気で言っていることを知った。
「学園の前に順位が載っているの。」
「えっ、ちょっと⁉」千恵さんにイキナリ連れられて私は学園に着いたのだった。
「あなたの名前は青谷アミさんね。ホラ、あそこ!一番上‼」
「あっ、本気であった。」
「本気でって!そろそろ学園に入らないと!ヤバイ!急げ‼」この千恵さんという人は初対面の人でも普通に話すことができるアクティブタイプの人。逆タイプのおとなしめ、レイナさんはどんなときでも緊張してて人見知り。私が見た限りの2人の印象だった。どっちにしろ、あの2人はきっと良い子だ。
「待って!」私は2人の後を追いかけて行った。