なんでちがうんだろう?ああ…そっか。
「いいえ。ホントはピアノも頑張ったら結果が出るものかもしれません。ただ、私が頑張って…いなかったんです。一生懸命やって…なかったんです。ピアノを言い訳にしてたんです。情けないです」私はすべて頑張っていなかったのか。吹奏楽も勉強も…運が良くてなんとかなったんだ。実力じゃない。
「でも、吹奏楽は頑張れたんだろ?ピアノとは相性が悪かったんじゃないのか?」相性⁇先生、それ関係ないよ。
「相性とかじゃないと思います。」
「相性じゃなくても別にいいんじゃん?お前、ピアノ辞めて後悔してないんだろ?」
「後悔…?してないかもです。いま、やりたいと思ってないんで」
「じゃ、いいんじゃん!出来なかったことを後悔してるなら吹奏楽で頑張ればいい。時間けっこう喰ったな、スケールやろう。」先生は納得したカンジで頷いて私の厳しいレッスンが始まった。
「シー♭」
「シー♭」先生が吹いた後に私が吹くという練習法でやっていった。
「アンブ‼変わってる‼お前、すぐ忘れすぎなんだよ!」アンブとはアンブシュアの略でいっつもここで引っかかる。でも自分でも、先生と私の音は全くちがうと思う。
「はいっ!すみません!」
「楽器置け!アンブ整うまで使わせない!」楽器を募集され、ひたすらアンブ練習!
「だから、アンブはこうで音はバンッと強く!お前のは小さすぎる!」先生の言っていること分かりづらいよ。
「こうですか?」
「ん、まぁ…いい。楽器取ってスケールすぐ始めろ!」納得いかないような表情だが、これでやっと楽器を持つのを許される。時間があんまりない。それだったら頭使って、楽器をならした方がいい。アンブはまぁまぁできてる。音を壊すほどでもない。前を向いて顎引いて、まっすぐ音を出す。一度も力強い音が出なかった訳じゃない。吹けたときはすべてまぁまぁできていた。今度はすべて完ぺきでキレイな音を出したい!
「シー♭」ボワぁっとイキナリ空気が入ったように、力強いというよりは力強くヒカッたみたいなカンジだった。ただのドなのに、すごいイイ音!はばたくような音ってこんな音⁉
「…その音…どっからだ、出した?」先生はいつもとちがう。表情も声も全然ちがう。
「先生の言われたことを完ぺきにやろうって思ったらこんな音に⁉」
「そ、それだけか?俺でもその音出せないんだが…ムカつくな。」ムカつく⁇え?なんか、嬉しい!先生が出せない音出せた!キセキ
「なんでですかぁー?」ちょっと聞いてみることにした。
「あ?イイから…まだ、一つしかやってないんだ。次、レ」うわ…話そらしたぁ。あ、レだ。次…
「レー!」なっ…た?は?
「なんで…?なんでなったんだろう?」
「ドが吹ければ、まぁふつうレは吹けるな。っていうか、レのためにわざわざ口変える訳じゃないからな。サックスもそうじゃなかったけ?」
「あー、そうだったかも。」他人事のようにつぶやく。
「お前、ホントにやってたのか?」冗談っぽく言って少し真面目な話に変わった。
「お前だけに言っておく、明日クラリネット専門の生徒がくる。頼んどいた。一応、OG‼敬語でな。厳しいから!」厳しい⁉OG⁇ムリ、ムリ!でも…イケるよね!最近調子イイし!自分に向いてる楽器なのかもー。
「じゃ、今日は終わりな。」
「ありがとうございました」頭を下げてお礼をし、私は寮の方へ戻って行った。
「ただいまぁ。」
「あ、おかえりー。」
「おっかー。」レイナちゃん戻ってきたんだぁ。
「アミちゃん、ゴメンね。迷惑かけちゃって!私、先生に言われて悔しかったんじゃなくて図星だったんだ。」あ、私のあのときと同じ…
「うん…辛いよね!自分の弱みなんかできれば知りたくない。でも受け止めて頑張っていければ最終的にそこが、私たちのゴールなのかなぁ。」…恥ずかしいこと言っちゃった…
「うん!だからね、楽器貸してもらったの‼まぁ、経験者だしいっかって!屋上とかで吹こうと思って‼」レイナちゃんがホントに嬉しいように言う表情はアイドルよりカワイイかもしれないと思った。かわいいって羨ましいなぁ。私は長身ってほどでもないが、まぁまぁ背が高い。163センチある。ま、人から見て背が高いとは言わないぐらいのまぁまぁな身長だ。体型はイヤ…体重は…50キロ。みんなには太ってると言われてた。
「良かったね!そういえば千恵ちゃんは?どうだった?」私が軽く聞く。
「楽しかったよ‼まだまだ全然なんだけど…」
「へぇー、でも良かったじゃん!」
「うん!だけどさぁ明日からはいっぱい練習出来ないよね」千恵ちゃんはそうなのかなぁ。私、忘れてたけど私は人集めどうするんだろう?
「あ、そうだよね!まぁ私は屋上で練習するんだけどぉ…」
「私も明日OGさんが来てくれて教わるんだ。今日先生に言われて…」
「えー‼私だけ下手になっちゃうよぉ!腹筋でもやろうかな?」あっ、腹筋…⁇勘違いする人多いよね?
「ちーちゃん!腹筋はあんまり関係ないよ!ふつうにスポーツテストで腹筋やるぐらいの回数が出来ていれば平気なんだ!ちーちゃんはチアやってたから大丈夫だと思うよ‼」私がそう言うと安心した様子で反面不安そうな顔つきで言った。
「そっか!…でも楽器ないのに練習どうしよう?私、全然ダメだもん。」楽器がない練習法…中学のとき先輩に聞いたことがある気がする。…そして私は記憶をよみがえらせる。
「んー。どうしてあなただけ出来ないのかな?」
「どうする?どう教えればいいんだろ?」先輩によく言われていた。他の2人はもう音が一発で出るようになっているのに…自分が出来ていれば先輩に迷惑をかけることもないのに…絶対家では誰よりも努力してる。今日やった腹式呼吸だって家でやってた。なのにみんなはすぐできちゃうんだもん。泣きたい…何がヤダっていうとみんなに追いついていない私。
「先輩‼家で出来る練習法ってなんですか?私はみんなより全然出来てないんで人より何百倍も努力したいんです。教えて下さい!」
「そうねぇ。楽器が使えないなら…今日やった腹式呼吸!これが出来ないと絶対にうまくならない。あと、吹奏楽の演奏をきくこと。生じゃなくてもイイから!最近はYouTubでもあるから!色々厳しいこと言ってるけど今のところあなたが一番メンバー候補よ!」あのときは嬉しかったなぁ!と思いながらちーちゃんにいった。
「腹式呼吸と演奏を聞くのがイイと思う。特に演奏は見本になるから1回は確実にきいたほうがイイ」
「うん。少しずつ頑張ってく。」そう言ったちーちゃんも目がひかっててかわいかった。
「いいえ。ホントはピアノも頑張ったら結果が出るものかもしれません。ただ、私が頑張って…いなかったんです。一生懸命やって…なかったんです。ピアノを言い訳にしてたんです。情けないです」私はすべて頑張っていなかったのか。吹奏楽も勉強も…運が良くてなんとかなったんだ。実力じゃない。
「でも、吹奏楽は頑張れたんだろ?ピアノとは相性が悪かったんじゃないのか?」相性⁇先生、それ関係ないよ。
「相性とかじゃないと思います。」
「相性じゃなくても別にいいんじゃん?お前、ピアノ辞めて後悔してないんだろ?」
「後悔…?してないかもです。いま、やりたいと思ってないんで」
「じゃ、いいんじゃん!出来なかったことを後悔してるなら吹奏楽で頑張ればいい。時間けっこう喰ったな、スケールやろう。」先生は納得したカンジで頷いて私の厳しいレッスンが始まった。
「シー♭」
「シー♭」先生が吹いた後に私が吹くという練習法でやっていった。
「アンブ‼変わってる‼お前、すぐ忘れすぎなんだよ!」アンブとはアンブシュアの略でいっつもここで引っかかる。でも自分でも、先生と私の音は全くちがうと思う。
「はいっ!すみません!」
「楽器置け!アンブ整うまで使わせない!」楽器を募集され、ひたすらアンブ練習!
「だから、アンブはこうで音はバンッと強く!お前のは小さすぎる!」先生の言っていること分かりづらいよ。
「こうですか?」
「ん、まぁ…いい。楽器取ってスケールすぐ始めろ!」納得いかないような表情だが、これでやっと楽器を持つのを許される。時間があんまりない。それだったら頭使って、楽器をならした方がいい。アンブはまぁまぁできてる。音を壊すほどでもない。前を向いて顎引いて、まっすぐ音を出す。一度も力強い音が出なかった訳じゃない。吹けたときはすべてまぁまぁできていた。今度はすべて完ぺきでキレイな音を出したい!
「シー♭」ボワぁっとイキナリ空気が入ったように、力強いというよりは力強くヒカッたみたいなカンジだった。ただのドなのに、すごいイイ音!はばたくような音ってこんな音⁉
「…その音…どっからだ、出した?」先生はいつもとちがう。表情も声も全然ちがう。
「先生の言われたことを完ぺきにやろうって思ったらこんな音に⁉」
「そ、それだけか?俺でもその音出せないんだが…ムカつくな。」ムカつく⁇え?なんか、嬉しい!先生が出せない音出せた!キセキ
「なんでですかぁー?」ちょっと聞いてみることにした。
「あ?イイから…まだ、一つしかやってないんだ。次、レ」うわ…話そらしたぁ。あ、レだ。次…
「レー!」なっ…た?は?
「なんで…?なんでなったんだろう?」
「ドが吹ければ、まぁふつうレは吹けるな。っていうか、レのためにわざわざ口変える訳じゃないからな。サックスもそうじゃなかったけ?」
「あー、そうだったかも。」他人事のようにつぶやく。
「お前、ホントにやってたのか?」冗談っぽく言って少し真面目な話に変わった。
「お前だけに言っておく、明日クラリネット専門の生徒がくる。頼んどいた。一応、OG‼敬語でな。厳しいから!」厳しい⁉OG⁇ムリ、ムリ!でも…イケるよね!最近調子イイし!自分に向いてる楽器なのかもー。
「じゃ、今日は終わりな。」
「ありがとうございました」頭を下げてお礼をし、私は寮の方へ戻って行った。
「ただいまぁ。」
「あ、おかえりー。」
「おっかー。」レイナちゃん戻ってきたんだぁ。
「アミちゃん、ゴメンね。迷惑かけちゃって!私、先生に言われて悔しかったんじゃなくて図星だったんだ。」あ、私のあのときと同じ…
「うん…辛いよね!自分の弱みなんかできれば知りたくない。でも受け止めて頑張っていければ最終的にそこが、私たちのゴールなのかなぁ。」…恥ずかしいこと言っちゃった…
「うん!だからね、楽器貸してもらったの‼まぁ、経験者だしいっかって!屋上とかで吹こうと思って‼」レイナちゃんがホントに嬉しいように言う表情はアイドルよりカワイイかもしれないと思った。かわいいって羨ましいなぁ。私は長身ってほどでもないが、まぁまぁ背が高い。163センチある。ま、人から見て背が高いとは言わないぐらいのまぁまぁな身長だ。体型はイヤ…体重は…50キロ。みんなには太ってると言われてた。
「良かったね!そういえば千恵ちゃんは?どうだった?」私が軽く聞く。
「楽しかったよ‼まだまだ全然なんだけど…」
「へぇー、でも良かったじゃん!」
「うん!だけどさぁ明日からはいっぱい練習出来ないよね」千恵ちゃんはそうなのかなぁ。私、忘れてたけど私は人集めどうするんだろう?
「あ、そうだよね!まぁ私は屋上で練習するんだけどぉ…」
「私も明日OGさんが来てくれて教わるんだ。今日先生に言われて…」
「えー‼私だけ下手になっちゃうよぉ!腹筋でもやろうかな?」あっ、腹筋…⁇勘違いする人多いよね?
「ちーちゃん!腹筋はあんまり関係ないよ!ふつうにスポーツテストで腹筋やるぐらいの回数が出来ていれば平気なんだ!ちーちゃんはチアやってたから大丈夫だと思うよ‼」私がそう言うと安心した様子で反面不安そうな顔つきで言った。
「そっか!…でも楽器ないのに練習どうしよう?私、全然ダメだもん。」楽器がない練習法…中学のとき先輩に聞いたことがある気がする。…そして私は記憶をよみがえらせる。
「んー。どうしてあなただけ出来ないのかな?」
「どうする?どう教えればいいんだろ?」先輩によく言われていた。他の2人はもう音が一発で出るようになっているのに…自分が出来ていれば先輩に迷惑をかけることもないのに…絶対家では誰よりも努力してる。今日やった腹式呼吸だって家でやってた。なのにみんなはすぐできちゃうんだもん。泣きたい…何がヤダっていうとみんなに追いついていない私。
「先輩‼家で出来る練習法ってなんですか?私はみんなより全然出来てないんで人より何百倍も努力したいんです。教えて下さい!」
「そうねぇ。楽器が使えないなら…今日やった腹式呼吸!これが出来ないと絶対にうまくならない。あと、吹奏楽の演奏をきくこと。生じゃなくてもイイから!最近はYouTubでもあるから!色々厳しいこと言ってるけど今のところあなたが一番メンバー候補よ!」あのときは嬉しかったなぁ!と思いながらちーちゃんにいった。
「腹式呼吸と演奏を聞くのがイイと思う。特に演奏は見本になるから1回は確実にきいたほうがイイ」
「うん。少しずつ頑張ってく。」そう言ったちーちゃんも目がひかっててかわいかった。


