だからこそ・・・、事情を聞きたかった。


けど、声をかけようとしたその時、


「優斗ー、ここにいるの?」


遠くの廊下から、綺麗な声がした。


その声の方を見てから、すぐに視線を優斗くんに戻す。


「・・・・優斗くん?」


私は目を疑った。


さっきの声は、きっと彼女だ・・・。


優斗くんは、その彼女の声のする方を見て・・・


明らかに泣いていた。


涙を流していた。


「・・・ごめん、行かなきゃだ・・・」


優斗くんはポンと、私の頭に手を置くと、


その顔のまま・・・保健室を出た。


私は、その場に立ち尽くした・・・・。