「・・・美砂も風邪?」


優斗くんがそう聞いてきた。


「・・・・・・・・・・・」


私の表情は硬直されて、言葉が出なかった。


風邪じゃない・・・・、から。


ほんとは、彼女と仲良くしてる拓真くんを見ているのが辛かったから。


『逃げてきました』


と、勝手に口から漏れた。


「・・・逃げた?なにから?」


優斗くんの声が少し変わった。


きっと・・・きっと驚いてるよね・・・。


だって私・・・泣いちゃってるんだもん。