それから少しして、お葬式が行われた。


その日、私が泣く事はなかった。


というよりかは、涙が出なかった。


事故のあの日、涙が枯れる位泣いたから?


私はそう思った。


私の周りの人は嗚咽を吐きながらハンカチで涙を拭う。


御経の響く部屋でただ一人、私だけは泣かなかった。


遺影に映る両親の顔は、眩しい位の笑顔だった。


『泣かないで、笑っていなさい。』


と、そう言われてるように私は思った。


だから、父と母の遺影に私は・・・、


軽く微笑みかけた。