『美砂!』


誰かが私を遠くから呼ぶ。


それは、すごくすごく懐かしい声だった。


私が好きな声・・・。


今まで・・・その声にひどく癒されていた気がする。


私の前に居たのは拓真くん。


これは・・・夢?


夢の中の拓真くんの表情は笑ってたけど・・・寂しく思えた。


『・・・どうしたの?』


私がそう言うと、そのまま振り返って歩いて行く。


『・・・待って!行かないで!』


私がそういっても拓真くんは歩き続ける。


『お願い!置いて・・・置いて行かないで・・・』


夢の中で私は泣き崩れた。


それでも、拓真くんはひたすら前を行く。


・・・きっと、その先には、あの人がいるんだよね?