狂った愛





『なに、なんかあった?』



杏里沙はいつもあたしの異変に気づくのが早い。




「いや...航汰ってどんな人?」




『んー、優しい人だよ?髪の毛染めた事ないんだって』





へぇー...そんな人居るんだ。




『真面目?かなー?航汰くんは。...まぁ過去に色んな体験してるからね。』




「色んな体験?」




『うん。...親、居ないんだって。離婚』






あたしと一緒だ...。





『愛されなかったんだって。...だから航汰くんは、誰よりも人を愛す人だと思う。』





...馬鹿はあたしじゃん...。