「えっと…ごめんなさい!」

ぶつかった子が頭を下げてきた。

『全然いいですよ。』

作り笑いをする。

初対面の人と話すのってすっごい苦手。

だから、早くこの場から立ち去りたい…。

そう、心の中で思っていたその時。

「__田中さん!ちょっ来て!ぬ、濡れたままじゃ風邪引くから!」

木戸がどこか焦った様子で手をグイグイひっぱつてきた。

「…え、え?」

そして、戸惑う私を連れていく。

何個もドアを開けたりしながら。

そして最終的についた場所は…。

「あ、ここ、俺の部屋だから。」

木戸の部屋だった。