「た…なかさん…。」

荒れた息で話しかけてきた木戸。

「お疲れ様。」

適当に返事をしてその場を過ごす。

今の私は木戸にちょっと怒ってる。

だって、だいたいワインを持ってきた木戸が悪い。

機嫌が悪い私に木戸はこんなことを言う。

「どうしたんだよ…。」

“どうしたんだよ”じゃないでしょ!

木戸のせいでこれから学校でヒヤヒヤしなきゃいけないんだけど!

『木戸のせいだし…。』

ブツブツ言っていると。

__ドン!

『わっ!』

誰かがぶつかってきて、尻餅をついた。

それに加えて、お腹の辺りに冷たいものがかかってると思ったら、コーラが
服にかかっていた。

「大丈夫!?」

ぶつかってきた子と木戸が近寄る。

『全然大丈夫。』

ちょっと痛いだけだし、ちょっと冷たいだけだし。

なんともないから、大丈夫でしょ。

と、思っていた。