キラキラの太陽

『き…木戸!』

思わず木戸を呼んだ。

近くにいたし、何よりこのクリパの企画者だからだ。

「何?」

木戸は、ワインをまだ飲んでない様子。

良かったと、内心ホッとしながらも。

『何で…ワインがあるの…?』

「ん?」

皆に聞こえないように、小さい声で言ったためか、木戸が聞き返してきた。

『だからっ…!何でワインがあるの!?私達未成年だよ!?』

耳元でささやいた。

ついつい強い口調で言ってしまったが、気にしない。

周りの人は、聞いてなかったし。

「はっ!?ワイン!?」

さっきまでの笑顔はなくなり、一瞬にして驚いた顔になった木戸。

「ど、どれ!?誰か飲んだっ!?」

慌てて探し出した。

『これっ!井上さんと、相原さんと、東さんが飲んだ。』

ワインの入ったコップを手にし、明確に伝える。

「ちょっ!回収する!」

そういって、私が持っていたコップを取り、走って行った。

学校にバレなきゃいいんだけど…。

そう思ってる間に聞こえた、木戸の

“あのくそじじい、何やってんだよ…。”

という言葉は聞こえなかったことにしておこう。