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『ココ…かな。』

数日前もらった地図を確認しながら、ある家の前で立ち止まる。

そして…

ピンポーン。

寒さでかじかんだ手でインターホンを鳴らす。

すると、聞き覚えのある声が聞こえたかと思うと、目の前のドアが開かれる。

「メリークリスマス!…田中さん!」

そんな声と共に、サンタのコスプレをした木戸が現れる。

思わず吹き出しそうになるが、必死に押さえる。

そう、ここは木戸のうち。

あっという間に時間が過ぎ、ついにクリパが始まる時間となってしまったのだ…。

『お邪魔します…。』

ペコっと軽く礼をして中に入る。

「シカトするなー!」

真っ白なひげをつけた顔で笑った木戸。

それを見て、

元気そうで良かった…。

と、ホッとする。

私達の学校がある辺はちょっと寒くて、二学期の終業式が早い。

だから、クリスマスを迎える頃にはもう冬休みに入っている。

終業式以来、全然クラスメイトと会わなくて、今日久しぶりに木戸と会った訳だ。

「皆、もう来てるよ~。」

部屋のドアを開ける直前、木戸はそんな事を言う。

じゃあ…井上さんも来てるって事か。

私は、少しでも井上さんといる時間を少なくしたくてわざと遅めにきた。

けど、どれだけ時間を遅くしたって結局は会わなきゃいけないんだ…。

「田中さん?」

木戸に呼ばれ、ハッと気がつくともうドアは開いていた。

『あ、ごめん…。』

すぐに謝って中に入ると。