キラキラの太陽

一方、井上さんは、私の存在に気付いていない様子だ。

また何か言われるんじゃないか。

また、過呼吸になってしまうんじゃないか。

私は怖くて、怖くて、固まってしまった。

「そだね。w あたし先これ買ってくる。待っててよね!」

と、ダッシュでレジへと向かう井上さんの友達に、

「ok!」

と笑顔で言った後に、私の方を見る。

途端に、ドキっと心臓が音を鳴らす。

気付いてたんだ。

「あぁっ!田中さんだっ!存在感無さすぎて気付かなかったぁ。」

うわ、友達と全然態度違うじゃん…。

そっか。私はただの憎い人だからね。

「てゆうか、田中さんダサッ。もしかしてそんな服でクリパに行くとか?w」

この服がダサイことぐらい自分でも分かってるし…。

しかも、クリパに行く服とは別だし…。

「超ありえなぁい。雅君とのせっかくのクリパ、台無しになっちゃうよぉ。
まぁ、貧乏だから仕方ないかぁ。服買えないもんね。可哀想にぃ。」

私が反抗してこないのは、自分の言った言葉のいじめに傷付いてるからだと考えているのか、一人で話を続ける。

あんたのいじめなんて…。全然効いてないし!バカじゃないの?

と叫びたいが、怖い。

睨まれてることが、言葉が、態度が…。
何もかもが怖い。

心のなかで反抗してたけど、本当は怖かった。

自分を、平気だと思い込ませようとしてた。