キラキラの太陽

「これ、可愛いよね!買った方が絶対いいよね!」

スカートから顔を離して、友達らしき人に走ってく女の子のこえが、井上さんソックリだった。

“よね”とか、相手に同意を求めるところも似ている。

もしかして、井上さんかも…。

と疑って、顔を見ようとしたけれど、
私の位置と反対の方向に向かっていってるから、顔はあまり見えなかった。

もし、井上さんだったらまた会うと嫌だからさっさと移動しよう。

くるっと体の向きを変えて、ここから出ようとしたとき。

「え?どこにあったの?万里。」

「ここっ!てか、瑠璃はまずそっちの服どうにかした方がいいと思うけど。」

また声が聞こえてきて、反射的に振り返ると、そこにいたのは…。

『井上…さん?』

どっからどう見ても、本人だった。

顔がしっかり見える今では、井上さんとはっきりと分かる。