キラキラの太陽

あ、声が出ないんだった…。

どうしよう…。

とりあえず、自分を落ちつかせるため、深呼吸をする。

紙に書こうか。

でも、なんて書こうか。

井上さんに返事をする方法について、一生懸命考えるが、焦ってるため、いい案が浮かばない。

ドクン。ドクン。

心臓の音は早まるばかり。

ドクン。ドクン。

その音さえ、怖くなってきたその瞬間。

『田中さん、“私もクリパに行きたい”って言おうとしてたんだって。一人ぐらい増えても、いいよね?』

優しい口調で、言う木戸。

あれ、助けてくれたんだ…。

ニコリと微笑まれ、目がハートマークになった井上さん。

「もちろん♪大歓迎だよ、田中さん♪」

さっきとあきらかに違う態度で、私は驚く。と同時に、私はホッとする。

一件落着だ…。

「良かったね、田中さん。」

私を救ってくれた木戸に、私は感謝の意味を込めて微笑む。

声が出るようになったら、お礼言わなきゃ。

「じゃあ、24日。詳しい事は、また後で教えるね。」

「絶対、来てよね!」

ってえ…。

クリパの話?

さっきの“良かったね”も。

ああ、そっか。

私、24日、クリパに行かなきゃならないんだ。