「シャッ」

私が寝てたベットを囲んでいた薄ピンクのカーテンが開いた。

私はビクッとその音に反応し、体がはねあがった。

『雅くん?あ!いたいた!探してたんだよね~。』

ぁ…。木戸のファンのリーダー的存在の井上万里さん…。

さっき木戸に話しかけたとき、一番この人が睨んできてこわくなったんだ。

ニコっと木戸に笑いかける顔は、

恋してる顔だ。

けど、何故か怖い。それはきっと、恋の邪魔するあたしへの憎しみの視線だ。

私は、恋の邪魔しようとする気はないんだけど、自分じゃない女が好きな人と一緒にいるとイラつくのであろう。

そのイラつきと憎しみが交ざった視線は、怖すぎる。

ぎゅっと布団をつかんで怖さをまぎらわそうとした。

だけど、効果は現れなかった。