香織ちゃんに私のことを話してるとチャイムが鳴り二人で教室に戻った。

次の授業は担任の相澤先生の授業だった。

この授業も隣の香織ちゃんに教科書を見せてもらっていた。

すると、ノートを取ってるときに制服の裾をクックッと引っ張られた。

引っ張ったのは香織ちゃんだ。

私が香織ちゃんを見ると香織ちゃんが耳元で小さな声でこう言った。

"あたし、ちょっと抜けるから教科書は好きにみててねっ"

ニッと笑ったかと思うと香織ちゃんは立ち上がった。

「どうした佐々木。質問か?」

「ん、ゆうちゃん。
あたしちょーーっと用事があって授業サボるね♪」

「あぁ、そっか
………は?サボるだと!?」

「んじゃ、ゆうちゃんとみんな去らばっ♪」

ウィンクをパチンッとすると香織ちゃんは教室を出ていった。

「さ…佐々木ーーーっ!!!!」

まるで般若の形相で香織ちゃんを呼ぶ相澤先生の声はきっと学校中に響き渡っただろう…

それにしてもあんなに堂々と授業をサボりに行く香織ちゃんはある意味尊敬する。

香織ちゃんがいなくなった後、何とか持ち直した相澤先生の授業が再開した。

黒板に書いてる最中に何度かチョークを折っていた相澤先生。

かなり苛ついている先生だが、みんなやれやれと言ったように授業を受けていた。

なるほど、これはこの教室では当たり前のことなんだ…私は一人納得していた。





だけど、



香織ちゃんが一体どこに行ったのか



そして、



この後の出会いが



私の全てを変えてしまうことになるとは



この時の私は知るよしもなかった。










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