大切なもの

「なんだよ、二人とも。急に走り出してさ」

敦くんが文句を言いながら来た。
汗をかいている。
普段走っていないのだろう。

「ゴメンゴメン。私の家に行くことにしたから」
「結局そうなったのぉ!?だったらケンカする意味なi」
「グダグダ言わずについて来い!!」
「はい」

二人の会話はまるでコントだ。
プッと、吹き出してしまった。

「え!?薫ちゃん、なんでウケてんの!?」
「いや、だってさ、二人の話が、ハハッ」
「大山さん、もういいから」

まだ笑っている私を、二人が不思議な顔で見ている。

「薫ちゃん、行くよ!!」

気づけば二人は歩き出していた。

「あっ、待ってよ!!」

私は慌てて追いかけた。
人ってこんなにすぐ仲良くなれるんだ。
なんて考えながら。