大切なもの

家の中は、想像していたものと全く違った。

「なんで………」

呟きがもれる。
リビングの場所は同じだった。
でも、テーブルやテレビなど家具の位置が違う。

「座りなよ」

アズちゃんがソファを指差す。
私たちは、小さいテーブルを挟み、向き合ってソファに座った。

「まず、大山さんはどうやってあの道に来た?」

敦くんが聞いた。
そこで私は、数学のことや、職員室でのことを話した。

「その先生サイテー」
「その学校の名前と、都道府県は?」
「瑠璃桜中学。東京都」

すると、二人は顔を見合わせた。

「ここは福岡県だよ。瑠璃桜中は私たちの通ってる中学だけど……」
「えっ!?でも、方言使ってないじゃない」
「僕たち、東京から引っ越してきた、幼馴染みなんだ」

そんな………。

「じゃあこの家は……?」
「私の家。これが私の家族」

アズちゃんが写真を見せてくれた。

「私の家族とおなじ……。母の名は、春子」
「お父さんは洋平。お姉ちゃんは美奈」
「妹は流華」

驚いた。
これが偶然なわけない。

「それと、私の産まれる前に優って子が。産まれなかったけど」
「私の場合は、産まれた後。名前は……」

そうか。
思い出した。

「名前はあずか」

あずさと一文字違い。
絶対偶然じゃない。