中学時代

「美優ー!」

キラキラと光る
あの人の笑顔。

私に向かって
手を振ってきた。


私はすぐさま
タオルを用意する。

「お疲れ様ですっ」

私がタオルを
渡すと
爽やかな笑顔で
うけとってくれた。

先輩の名前は
陽介先輩。


優しくて
かっこよくて
私はいつも
目で追っていた。


いつのまにか
私は
陽介さんを
好きになっていた。


けど陽介さんは
案の定人気。

近づきたい女子が
いっぱいいた。


……話したいなら
話せばいいのに。

私は内心
イライラしていた。

そんな態度が
気に入らなかったのか

女子は
嫌がらせをしてきた。

中心メンバーは
女子バスケの
桜。


桜のひきょうな
やり方に
みんなが
のっていく。


「マネージャーのくせに生意気なんだよ」

桜が
言った一言に
みんなも便乗する。


なんで?
マネージャーは
恋しちゃいけないの?


助けを
陽介さんに求めたけど
陽介さんは
困り顔。


ああ
桜の味方なんだな。


私はなんだかむなしくなった。


バカみたい。
なんで私は
マネージャーになったんだろう。

ただただ
サポートしたいのに。



私は
きづけば
辞めていた。

桜は笑っていた。

それから
私は感情を
捨てたんだ。