もしも、Ver.1






「あー・・・。」



口から出ていく煙をぼーっと眺める。


ここは、俺がイライラした時に来る隠れ喫煙所。




もやもやした灰色のそれは雲一つない真っ青な空を汚すように舞い上がり、


上がってったくせにそいつはあっという間に風に流されて、


爽やかな空になにも残すことなく消えていった。







「・・・あいつみてーだな。」





まっさらなあいつは、俺がなにしても変わらなくて。




いつも、遠い。













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