『(この表情―…キリに そっくりだ…)ミキくん…』






『分かる。事件の全てが見える…

お父さんから受け継いだ目が…熱い』





『事件の犯人が分かったってこと…?』



ユラナさんが目を見開いて言う。




『はい。でも犯人は居ませんね。殺人でも何でもない。…殺人されたように見えるだけ…

この女性、頭から流血しているでしょう?

その横にはナイフ…でも どう考えても切り刻まれた跡は ありません。

ナイフにも血痕がついていない。

田幡さんは―…ショック死です』









『ショック…死…?』





『でも何にショックを受けたんだ?』



三郎さんが言う。








『見えるんだ…目を閉じると…分かるんだ…感じる』






『皆、聞いてくれ』



皆の前に しゃしゃり出たのは…刑事さん。