『…と…捜査の必要もないか…』


刑事さんが ふと言い出す。



『え? なぁんでぇ?』



『だってミキくんが居るじゃないか! キリを呼び出して、事件の裏側を判明すればいいじゃないか!』





『え…』











『そうよ! ハワイでの事件も それで解決したんだから、ミキくん出来るでしょう!? ルナが犯人じゃないって証明してよ!』





ユラナさんが僕の肩を掴んで揺らす。




『ユラナさん落ち着いて…刑事さん…もし本当にルナが犯人だった場合は…』


『こちらで事情を聞く。でも放火した高校は何校もある。ルナさんは退学ってことになる可能性が高いな』



『潮くん!!

絶対ルナが…そんなこと するわけないわ!! どうして疑うのよ…』





『ユラナさん…僕だって疑いたくないです。でも…ルナが犯人だったら どうするんですか!?』



『どうして…そんなこと言うのよ…』


ユラナさんの目からは大粒の涙が溢れ出ていた。



『ユラナ、そんなに辛いなら この捜査から外れてくれ。…ルナさんが絶対していないとは限らない』





ユラナさんは刑事さんを見つめ返すと、

静かに立って署の方へ戻っていった。