夏休みに入ると、
ハクトは、家からでなくなった。
『頭いてぇ。』
『だるい。』
『ねむい…』
そんなことばかりだったハクトをワタシは、レンの散歩と称して家から連れ出した。
『外…久々。 きもちーなー』
河川敷へ行くと、寝ころんだ。
横へ座り、ワタシは、思いを告げた。
『ハクト、遊びに行かないの?』
『おれ、家が好き。』
『ワタシ知ってるよ?ハクトが、友達が好きってことも、学校が好きってことも、バスケが好きってことも。』
『…』
『やりたいことしな。 誰も、文句いわないよ!』
『海いきてぇ。 友達と、意味もなく笑っていてぇよ。 でも、母さんや、父さんや、ねーちゃん…レンも大事。』
『…うん。』
『家族には、迷惑かけたから。 おれ…』
わん!



