…………呆れてものも言えないとは、こういうことを言うのだろうか
私には、不安が積もるばかりだった。
そんな時
「あーあ、予想通りの人気だね。“荻原 祐斗”」
「え!? あけみん知ってるの!? あの“祐斗”って人のこと」
「知ってるも何も……。確かあの人、小学生の時に野球の全国大会でチームを優勝に導いたピッチャーだよ？ もしかして千里、知らなかったの？」
「……知らなかった」
「マジで!? この地域じゃ、結構有名だよ!?」
「プロ野球だったら少しは知ってるんだけど、小学生とかのはよくわかんなくて……」
「ふ～ん。でも、祐斗がいればこのクラスは楽しくなりそうね」
「え？ 何でそうなるの？」
「そりゃあ、あんなにノリも良くて、みんなをまとめてくれる人がいるんだから、クラス全体が盛り上がって楽しくなるに決まってんじゃん」
「ふ～ん」
確かに、昨日のイメージとは全然違う
あんなに優しそうな人だったなんて!!
１年間、楽しくなりそう!!……かも（笑
