「俺が行きたいのは、桜花(オウカ)高校!」


「へぇー。

桜花なんだ……って、え!?桜花!?」



桜花と言えば、県内でもトップクラスの私立進学校。

勉強も相当頑張らないと入れないようなところだ。



「そう、桜花。

あそこは野球がめっちゃ強くて、甲子園も狙えるんだ!」



確かに、桜花はスポーツ強豪校としても有名。

勉強もスポーツもできるという、まさに憧れの高校なのだ。



「そっか、高校だと甲子園もあるんだもんね!

甲子園でプレーしてる祐斗、見てみたいかも笑」



何気なく言った私の一言。

そしたら祐斗は、



「じゃあ、俺が連れてってやるよ」



「……え?」


「俺がお前のこと、甲子園に連れて行く。

だから、一緒に桜花行こうぜ」



祐斗……。

そんな嬉しい言葉言わないでよ。

嬉しすぎて、泣きそうになっちゃいそうだよ…。



「……っ、うんっ。

よろしくねっ!」


満面の笑みで返す私。

それを見た祐斗も、笑顔になった。