2つのボール

― 千里の家の前 ―


「じゃあね、あけみんっ!!また明日ー」


「うん、バイバーイ」



――ガチャッ


「ただいまー」


「おかえりー」


今、リビングから声がしたでしょ?


それが私のお姉ちゃんで、大学1年生の藤井 真奈美[ フジイマナミ]


お姉ちゃんは以前、芸能界へのスカウトを受けたほど美人なの!!


なぜ断ったかというのは、また今度にして…


「お母さ~ん、お姉ちゃ~ん、お腹すいた~」


私が家に帰ってきて言う台詞はいつもコレ


だって、部活頑張ってるんだもん!!


「はいはい、もうすぐできるから着替えてきなさい。練習着のままじゃ食べさせないわよ(笑」


「は~い」


今、私に着替えてこいと言ったのは私のお母さんの藤井 文子[フジイ アヤコ]


私が幼い頃からお姉ちゃんと私を……女手ひとつで育ててくれた、大好きなお母さん



……そう、私にはお父さんがいない