2つのボール



「ゆ、祐斗っ!?」


どうやら祐斗は、私のあとを付いて来てくれていたらしい。


突然の祐斗の登場には、早瀬さんも驚いているようだった。



「お、荻原く…「俺さぁ」



早瀬さんが何か言おうとしたところを、祐斗が遮った。



「俺、集団で1人のこといじめたり、

暴力ふるったりするような奴ってさ、

大ッ嫌いなんだよね」



祐斗の低くて重い、冷たい声で発せられる言葉。

こんなに怒っているような声は、私でさえ聞いたことがない。




「そんなっ、違うの!

これは、藤井さんが悪いのよっ!」



え!? 私!?

なんで私が悪者になって……



「は?何が違うの?

今ここでこいつのこと突き飛ばしたのどこのどいつだよ。


それに、千里がなんか悪いことでもしたか?」



「っ、荻原くん知らないの!?

この子、成瀬悠貴と浮気してたのよ!?

公園で!」



「あぁ、そのこと?

んなの俺とっくに知ってるし。


それに、あれは誤解だったんだぜ?

お前こそ、そんなことも知らねーのかよ」



「…………」




早瀬さんはもう、何も言えなくなっていた。

こんなに強い口調の祐斗なんて、私も初めて見たもん、ちょっとビックリした。


でも、全部私のためなんだって思うと、私はホントに幸せ者だ。。。