2つのボール

「ちーさとっ」


呼ばれて振り返ったら……


「あけみん……」


「最近どう?祐斗とは」


「……順調だよっ♪」


あけみんに、余計な心配をかけたくないばかりに、とっさに嘘をついたワタシ……。



「…………無理しなくていーのに……」


「え?」


なにかあけみんが言ったような気がするけど、声が小さくて聞き取れなかった。


「なんでもないよっ!

あっ、そーだ。今週末ってヒマ??」



今週末?

確かその日は顧問が出張で、部活がない日だよね?

それじゃ、大丈夫なハズ!



「たぶんヒマだよ!」


「マジ!? やったー♪

久し振りに一緒に出掛けない??」


「超行きたい!!!

出掛けよー♪」


「りょーかいっ!

それじゃ、9時半に駅前ね!」


「おっけーい♪」






この時はまだわかっていなかった。

なぜあけみんが急に出掛けようと言ったのか……。