2つのボール




「ゆ、祐斗だって………

本当は、私なんかよりも早瀬さんの方が

いいんじゃないのっ?」


一気に言ってしまった私。

でも、今さら後になんかひけない……



「なっ……?」


「だって、そーでしょ?

私、昨日、見ちゃったんだもん……」


「何をだよ」



とぼけたって無駄なんだから!!

ちゃんと見たの……



「……っ、早瀬さんと2人で、仲良さそうに話してたところ!」


「あぁ、あれのことか」



あ、あれのこと?

自覚ありなんじゃないっ!





「なに?

俺が早瀬と浮気でもしたと思ってんの?



それを言ったらさ、お前こそ成瀬と浮気してんじゃねーの?」



「…………もういいっ!」




私は屋上から逃げた。

これ以上話してると、もっとひどいこと言っちゃいそうで…。



それから思うんだ。


『なんでケンカなんかしちゃったんだろう?』


って……。