玄がだんだんと消滅していく。完全に消えた後赤い宝玉のようなものが残る。
「これは...?」
@モグが首をかしげながら触れそうになった瞬間鳥のような生物に奪われてしまう。
「...フフフフ。バカね私が渡すわけ無いでしょ?」
その声と同時ら空から傘で降り立ったのは黒髪ロングの赤メガネの似合う少し不気味感漂う女性だった。
「貴様が霧雨のトップマリアか!!」
ハッと気づいたように@モグが言う。
「如何にも私がマリアですわ。@モグ御機嫌よう。」
不気味にケケケと笑いながら丁寧な口調で言い放つ。
「...マリアってまさか前のゲームで倒したはずじゃ!?」
リルリルがバッと顔をあげて驚いたように言い放つ。
「如何にも。私がマリアですわ。前のようにはいきませんのよ?今回こそ皆様に仕返しさせて頂きますのよ。ではそろそr...」
マリアがいいかけた時
「玄は!?玄...は...無事なのか?」
すがり付く様にぱとりむぱすが尋ねる。
「ああ...安心して今から殺すから。」
ぱとりむぱすをニコッと見つめると冷たく言い放った。
「やめてくれ!!頼む...たの...む。」
ぱとりむぱすは玄を失うのを恐れて頼み込んだ。
「愉快、愉快。これが玄の本体記憶の宝玉。私が食すことにより力が私の中に備わるのです。」
マリアは宝玉に口付けては吸収してしまった。
「アハハハハ。美味しかった。ぱとりむぱす次はあなたのを貰いに来るから覚悟しててね。あと、お役御免で意識の方はプラグ戻したから。安心してね。」
膝から崩れ落ち呆然としたぱとりむぱすを愉快そうに笑いながらマリアは告げて傘で雲の向こうへ消えてしまった。
「玄を...助けられなかった...う、うぁぁぁぁぁ」
ぱとりむぱすは確実にマリアが見えなくなったあと震える手を見つめながら叫んだ。
「どちらにせよ帰るぞ。イケの件もあるし、ぱとりむぱすは我々について来てもらうからな。」
@モグは、ぱとりむぱすの気持ちは理解できるもイケの件もあり、これ以上被害を拡大されないためにも、と相手の気持ちよりも優先する事であると言うように拘束し連行していった。

「お疲れ様です。」
第一部隊
基地に戻ったかと思えば、いつもオペレーターで聞きなれた声を放つ一人の女顔で猫耳の生えたオッドアイの少年が出迎えてきた。
「珍しいですね。上層部様が降りてくるなんて。どういうことですかねぇ?」
~斗はイケのリアルの安否が取れないことに殺気立って喧嘩を売るような口調で問いかける。
「手厚い歓迎ありがとうございます。ここからはオペレーティングじゃ無いんで元の口調に戻すわ。どうも第一部隊の皆はじめまして特別治安部隊上層部取締役員代行でオペレーターのリョウっすよ。今回のことに付いてお前らの質問色々対処めんどそうなんで来た訳っすね。」
と、~斗の喧嘩を売るような口調を華麗にスルーし、リョウは報告を始める。まず、ぱとりむぱすについての対処は玄の件も含めて意識をリアルから断裂されていた事から言いなりにならざるを得ない状況として、措置の方は第一部隊に任せる事になっている事。イケの状態については命に別状は無かったものの意識不明でいつ起きるか分からないため代わりを用意している事。そして、代わりがもうすぐ到着くる事を簡潔に説明した。
「玄の記憶の宝玉というのと、代わりは誰がするのかが気になるな。」
@モグはリョウに向かって質問をする。
「記憶の宝玉については調べ中かな。代わりは来てからのお楽しみってことで」
質問に楽しそうに答えるリョウ。
その態度に皆はあまりいい雰囲気ではなくなり、嫌悪な感じをそれぞれに感じながら次の質問はなく、無言の間が続いた。

「すみませんなのー。」
数分後、皆の無言の間に女の声が響く。
「来たようだね。」
リョウは質問がなければ仕事に戻ると簡潔に述べ帰ってしまった。
「あ、リョウさんお疲れ様なの。そして、他の皆さんはお久しぶりなの。」
目の前に現れたのは語尾に" なの"を使う顔見知ったアバターだった。白髪の長い髪に見ていると吸い込まれそうな綺麗な深紅色の目、不自然に生えた黒い翼が2本、服はピンクに白いラインの入ったジャージを上だけ着用し、下は隠れているのだが黒い短パンを着用し、黒のニーソックスを履いた綺麗な少女というか女性というのか曖昧な顔立ちの女だった。
「....ペロ?」
ポカーンとしたみんなの中で@モグは名前を呼んだ。
「如何にもなのー。ペロなのー。ホントは上層部の補佐としてお菓子食べてたのー。でも、イケがピンチって聞いて代わりがいるって聞いて来たのー。」
簡潔に来た理由を話したペロ。
「ペロちゃーん!」
その直後前からタックルする勢いで抱き着いたリルリル。場の雰囲気は嫌悪から和んだ雰囲気に落ち着いた。
「まあ、暫くトトノの管理はカシと~斗で、フィールド担当は俺とリルリル、ペロで行う後ぱとりむぱすも俺らと同じフィールドで働いてもらう以上だ。各自指令があるまで自由でいいよ。」
@モグは和んだ雰囲気の中役割だけを伝えて奥の部屋に去ってしまった。
「よろしくなのー。」
リルリルの頭を撫でながらペロは微笑んだ。
呆然としたぱとりむぱすも@モグを追いかけて奥の部屋に去って行った。