「あわわ。僕は何を?」
ここは、SLL特別治安部上層部特別監獄。ログイン、ログアウトを含め全ての行動が監視される監獄だ。この監獄で夜薔薇は、何故此処に居るかも、ここ数日の記憶もなかった。

「夜薔薇ログイン歴半年。三週間前からリアルで倒れ療養中。ここ数日の記憶は、無い。リアルでの意識も三週間前から無いと....。」
SLL特別治安部上層部特別監査課のユウは、溜め息をついた。
「大変だね。裕也。」
となりから難しそうな顔をしたユウをのぞき込んだのはSLL特別治安部上層部保護課のリュウ。
「その名前はリアルだけにしろ。それより、記憶がないのとリアル本体でも意識がないのが問題だ。」
リュウにデコピンしながら、分厚い辞典のようなものを見ながら問いに答える。
「洗脳って可能性が大きいのか。」
納得したようにリュウは、頷きながら言う。

『えー、今回捕まった方に関してなんですが、記憶の無い囚われ人、ウイルスによる洗脳されているとして、釈放されました。』
上からの連絡事項だ。
「洗脳なんて古風だな。事件の根元すら掴めてないな。」
イケはため息をついた。