『第4区、5区、8区、13区に破壊ソフトでの破損を確認。負傷者は今のところ確認されていません。第一部隊、第二部隊は、出動してください。』
午前九時過ぎ、学校などがある区、第三十一区とは、別の区にて襲撃である。今回はカツアゲ目的の暴行ではなく、建物の破壊目的と思われる確実にSLL特別治安部の事を挑発する反抗だ。
「何が目的なんだろね?」
リルリルは、敵の狙いを気にしつつ準備を急ぐ。
「第一部隊準備完了しました。これより、4区、5区に向かいます。」

「想像を失った世界は、いらなーい。」
黄緑のマントを羽織り、ピンクの髪フードをかぶり顔を見せない。声は少し幼い少年のようだ。
「みっけ。SLL特別治安部第一部隊、悪いけど拘束させてもらうわー。」
今回は第一部隊5名ともフィードに出ている。
「来たの?僕と遊ぶ?」
分かっていたように相手の方に顔を向け小首をかしげながら尋ねる。
(正気なのか?それとも、なきにしもあらずか。)
@モグは、内心相手の言動に疑問点の可能性を自問自答する。
「大人しくしていれば痛いことはしません。悪いことは言いません。速やかに....うっ」
カシが、相手に停止命令を下していると鈍い音と同時にカシの、呻き声が聞こえる。
「想像を失った世界に住む住民も要らなーい。壊れちゃえ」
クスっと笑う。口元でしか分からないな表情の裏を必死で悟ろうとする。
『カシにウイルス反応。破壊系ウイルスと予測します。』
少し遅れて上からの伝達が伝えられる。
「めんどくせえのな。まだ、トトノは、メンテ終わってないから使えないよ?ね、イケちゃん?」
伝達事項を聞けばため息混じりに~斗がイケに目線を向けて言う。
「そうだな。自動メンテだが、もう少しかかる。それまでは足止めか撃退の方向だな。」
~斗に嫌悪の目を向けつつ答える。
「トト....ノ....。」
相手が二人の会話に反応した。
「トトノを僕に渡して?」
相手が徐々に詰め寄ってくる。
「しゃーねぇな。モグ!リルリル!行くぞ?イケちゃんは、もしものために下がっててな。」
珍しく~斗が乗り気な様子で皆に声をかける。
「SLL特別治安部第一部隊!貴様を拘束する!」
@モグの声を合図に@モグ、リルリル、~斗が相手に攻撃を仕掛ける。
「貴様じゃない。僕は夜薔薇。」
が、相手の体に当たった武器が瞬間に粉砕した。
「何これ...。 」
リルリルが、ポツリと漏らす。
「想像を失った世界、君もいらなーい。」
夜薔薇は、笑った。次の瞬間黒い塊が無数に飛んでくる。それをリルリル、@モグ、~斗は、間一髪で交わした。
「っ ...。」(まだかよ?トトノ)
相手の行動と狙いが解けずポーカーフェイスが崩れる@モグ。
『あ、伝達忘れてました。夜薔薇は、傷つけずに捕獲してくださいねー。』
セナは、忘れてたと言わんばかりに補足する。
「無茶いうな。」
~斗は、苦笑しながら言う。
「トトノは、どこー?想像を失った世界の希望トトノは?」
夜薔薇は、攻撃をやめなかった。無数の黒い球状の何か。傷つけずに捕獲という無茶な要望に手出しできない第一部隊。

「そろそろ疲れた?終わりにする?」
体力が消費し息を荒らげた@モグ達に平然とした顔で声をかける。
「まにあた?」
と、その時だ。トトノが遅れて走ってきた。
「遅い。早くしろ準備できてるぞ。」
「おけ」
イケから、渡されたプラグをトトノは咥える。
「さぁて、俺様たちの出番だな。」
その様子を見て~斗は、ニヤッと笑った。
「ウイルスE-104停止かんりょ」
トトノの一声。
「SLL特別治安部第一部隊召喚課所属リルリル。夜薔薇あなたを拘束します!」
予備の縄跳び型鞭で夜薔薇を縛り付けた。
「!?あわわ...」
夜薔薇は、びっくりしてジタバタし必死に逃れようとするも出来ず、無事上層部へ引き渡された。