「つっかれたー」
~斗は、眠たい目を擦りつつソファーを一人占領する。
「どけ。僕が座るつもりだったのだぞ?」
紅茶をついで戻ってきたイケはソファーを一人占領する~斗に命令する。
「んー?膝のうえ来るなら座らせて...あちっ!イケちゃん酷いなー。」
起き上がり膝をポンポンと叩く~斗の頭にイケは無言で紅茶をかけた。
「ふん!クズ風情が何を言うか!前のゲームと違って痛覚が伴うからな。虐めたい放題だ。」
フンっと鼻で笑いシブシブ退ける~斗を横目に見つつ椅子に仰け反り再び注ぎ直した紅茶を飲み始めた。
「痛覚を伴う分冗談では済まない事もあるんだ。リアルの体には影響無いとはいえ、脳の方への影響は大きい。」
二人の様子を眺めていた@モグが横から口を挟んだ。言葉の裏には、だから、気をつけろとか、犯罪者は逃していけないとか色々な意味が隠れている。
「あ、皆さんマリア様と聞いて何を想像しますか?」
話を切り替えようとしてか、カシが珍しく話題を持ちかける。普段控えめなカシから話を持ちかける事が珍しいため皆は無言で驚いた。
「マリア?エロゲの外人キャラとか?カシもするんだー?今度俺様にも貸してよ。」
「しっ、しませんよ!」
~斗は、ちゃちゃを入れるように話題に答えた。
「マリア様?ねぇ。リルは聖母マリアを思い出すかな?ねえ、カシ君は、何で気になるの?」
リルリルが不思議そうに質問に質問で返した。
「実はですね。上層部の方で妙な録画が残っているため調べて欲しいと依頼があったんです。」
「妙な録画?内容は?」
カシの話に食いついたイケは質問を投げかけた。妙な録画の内容というのは『いくら来ても、無駄だぜ?俺にはマリア様がくれたハックソフトがある限り無敵だぜ。』と、犯人が言っていたものである。
「犯罪が増えてきたことと関係あるかもって事か。」
イケは少し不快そうに告げる。
「みたいですね。犯人たちも口を割らないですし別の手段で探すのもありかと思い想像力をお借りしました。」
カシは場が悪そうに頷くとすみませんと言いたそうに眉をひそめた。
「マリアねえ....」
ポツリと@モグは、呟いた。

「あついー。あついー。何でこんなに感覚神経発達させちゃったんですかー?」
@モグに抱きつきながらダダをこねるリルリル。
「退けばいいだろ?」
@モグは、相手の言葉に素直に返す。リルリルはムッとしながら、離れようとはしない。
「リルがさっき言ったようにこのゲームには不可解な点が多過ぎるな。」
イケは相変わらずソファーに仰け反りながら、二人を見つつ話しかける。
「例えば?」
「上層部のオペレーターとか。」
イケは、あまりにも迅速な位置座標の指示や、チート、ハックソフトの使用観察どれもすぐに分かってしまうのに、上からは、何もせず自分たちにやらせてるところが引っかかると告げる。
「まあ、上司よりまずは、相手だろ?何にせよ謎が多いのな。」
@モグは、上層部より、目先の敵と告げるも、また厄介な事が起こるような気がして仕方なかった。