溺愛ヤンキーくん




「…つか部屋はどこ?」


「…この階全部だけど?」


「……は?この階全部?ふざけてんでしょ」


「……ふざけてませんよ?」


「「……!?」」




いきなりエレベーターから一人の男が出てきた。


「…貴様。何者だ?」


「……おやおや。忘れてしまいましたか。優様」


「……一之瀬優。お前あいつと知り合いなのか?」


「…知らねぇよ…」





いかにも怪しいオーラぷんぷんしてるぜ…この男。



地毛っぽい金髪に深緑の瞳。



こいつどこかで…




あー!!思い出した!!



「お前おじさんの秘書のアレスだろ!!」


「…ご名答です。優様」


「…なんでここにいるんだ?」


「夜壱様より伝言を預かりましたので参りました」





伝言?



あたしなんかしたか?



「…伝言って何?


「…この階にある屋根裏部屋に絶対行ってはいけない。との事です」


「…へぇ…他には?」


「…隠し部屋を用意したからいつでも使いなさい。…だそうです。鍵を預かって参りました」


「…これで終わりか?」


「…はい。では素敵な寮生活を。私はこれで失礼します」


「ばいばーい!!」




あたしはアレスに貰った鍵をスクバの中に入れた。



……後でストラップでも付けよ。


「…おい」