あたしはさっさと帰り支度をした。
よし。
後は寮に帰るだけだな…
秋川皇雅達に見つからないうちにさっさと帰ろ…
寮の場所わからんけど。
「……おい、一之瀬優。ちょっと待て」
ん!?この声は秋川皇雅だな…
よし。ここはシカトしよう。
「…………」
「…おい。一之瀬優返事しろよ」
しないしない。
しちゃだめ…しちゃだめ…
シカトを続けてるあたしの態度にイラついたのか
秋川皇雅が、
「…抹茶ラテやらねぇぞ?」
どっきーんっ!!
抹茶ラテ…抹茶ラテ…
抹茶…ラテ…
んもーあたしの高校生活なんかどうにでもなれ!!
「…なんだよ秋川皇雅」
「…一緒に帰るぞ」
「…やだね」
「抹茶「わかった帰る」
あぁもう!!
抹茶ラテにつられるあたしは〜…
あぁもうっ!!イラつく!!
抹茶ラテと言う弱みがなければぁ〜!!
あぁ〜!!
この秋川皇雅の馬鹿阿呆ドS?ハゲお前なんか一生ハゲてろ!!
って言ってやりたい。
「…お前寮の場所わかんねーだろ?俺達が案内してやるよ」
って秋川皇雅が言ってるし。
あんたのシラッてした顔がすっごいムカつくんですけど。
「…そりゃどーも。今日部屋の荷物整理するだけでしょ?」
「あぁ。おい竜士達俺ら先寮行ってっから」
「おう。あ、櫂と蕾稚ー龍都と俺で海行ってくるからな」
「え〜みんないなくなっちゃうの〜?」
「…蕾稚…俺がいるんだが」
「あ、櫂いたのぉ〜?じゃあ俺と買い物行こうよ〜」
「…お前との買い物は疲れるが…まぁ暇潰しに行くか」
「うん!」
「――決まり、だな」
あーあ…
決まっちゃった…
最悪。
「……おら行くぞ一之瀬優」
「櫂〜行こぉ〜」
「あぁ」
「俺達も行くか龍都」
「――そーだな竜士」
あーあ…
皆行っちゃった…
残ったのはあたしと秋川皇雅だけ。
「…おら行くぞ」
「…抹茶ラテちょうだいよ」
「…はいよ」
あたし達は北棟を出てイングリッシュガーデンの道を通って、バカでかい建物の前まで来た。
―――にしてもでけーな…
まじ城かっ!!って思った。
つーか…
なんで秋川皇雅はこの寮を知ってるんだ?
「…なんで俺が知っているんだ?って顔してるなお前」
「…なぜわかった?」
「…櫂と同じ理由…だな」

