しかし…
秋川皇雅が人の言うことを聞いてる…
これレアだレア。
写メだ。写メ撮ろう。
そんなあたしの行動を読んだのか、櫂が、
「…今の皇雅を写メらない方が優のためです」
「…ばれた?」
「…優の行動が単純過ぎるんですよ」
「…あたしを馬鹿だと言いたいのか?」
あたしと櫂の間で軽く火花が散り始めた。
「…まぁまぁ二人とも睨まないの〜っ!!」
あーあ…馬鹿蕾稚。
今のあたしたちの間に入らなきゃよかったのに。
「「引っ込んでろ蕾稚!!」」
ほらね?あたしと櫂の大合唱喰らったじゃん。
どんまい蕾稚。
「そんなぁ〜…竜士〜龍都〜櫂と優ちゃんにいじめられたよぉ〜…」
蕾稚…
お前女顔だったからよかったけど、秋川皇雅みたいな男顔だったらドン引きだぞ…?
それに蕾稚を甘やかす竜士と龍都も馬鹿だ。
今より余計に甘えん坊になるだろうが。
少しは察しろ…
「…よし、お前らぁ!片付け終わったから席着けー」
クラスの皆は何事も無かったかの様に席に着いた。
………ある意味お前ら凄いわ。
――――――――――――
「えーと…俺はこの1年SS組の担任になったー…水国隆だ。担当科目はー何だっけ…あ、数学だ!3年間よろしくなー」
え。3年間こいつ担任なのかよ?
しかもクラス替えしねぇの?
「…んじゃあ今日はお前らの寮について説明すっからよーく聞けよ?あ、めんどくせぇから質問は受け付けねぇから」
おいおい。
この担任始めっから教育放棄してっけど…
大丈夫か?
「…えーと…お前らSS組が3年間住む事になる特別寮はバカでかいぞ。内装も結構よかったな〜。」
そんな話はどうでもいいからさっさと話進めろボケ。
「…で、そんな事はどうでもいいから寮の部屋を発表しまーす」
おし。
やっと来たー。
「…まず下からなー。205号室―――」
多分…
優秀度で階が変わるんだろうなー…
「次は…1027号室畑仲竜士と畑仲龍都ー1028号室森下櫂と永沼蕾稚」
「…じゃあ次――1029号室秋川皇雅と…んー…これ平気か?」
何でもいいからさっさと発表しろよ…
つーか…少し嫌な予感が…
「…俺知らねぇからな?…1029号室秋川皇雅と一之瀬優!」
「「はぁあぁあぁあぁあぁ!?」」
わお。
見事なだい…じゃない。
「…なんで…なんであたしと秋川皇雅が一緒の部屋なんだよ!!」
「…一之瀬優に激しく同意だ」
「……そんなん俺の知った事か!!もう決まっちまったんだから3年間大人しく生活してろ!」
っちくしょー…
蕾稚ならまだしも…
よりによって秋川皇雅とか…
あたしの高校生活が崩れていく…
「…じゃあ鍵を渡し終わったら帰っていいぞー。まず皇雅と一之瀬の部屋鍵だー取りに来い」
あたしはしぶしぶ水国から鍵を受けとる。
わぉ…
カードキーだー…
「…次ー竜士と龍都ー。次櫂と蕾稚―――……」
うん。
あたしさっさと帰ろう。
身の安全の為だ…

