あの後、あたしはなんか話し込み出した炎龍メンバーを置き去りにして、一人教室に行った。
はい。来ました。1年SS組。
―ガラッ…―
あたしは普通に扉を開けた。
だが入ろうとしたら…
「…女が皇雅さんの陣地に入ろうとしてんじゃねぇよ!!あぁ!?ブ…スではないが…どっちかってゆーと美人…じゃなくて!勝手にお前ごときの得たいの知れない女が皇雅さんの陣地に入んなよ!!」
って、ちょっとやんちゃ顔の男の子があたしに言ってきた。
おいおい。
お前あたしに喧嘩売っちゃってよかったのか?こいつ。
後で秋川皇雅にボコられても知らねぇぞ?
「…て話を聞けよ女!!ボコすぞ!!」
昼間っからうるせぇなぁ…
よし。向こうはやる気満々みたいなんで…
軽く暴れますか♪
氷姫モードONっ!!
「…おい。…そこのカス。黙ってれば…いい気に乗って言いたい事ばっか言ってんじゃねぇよ…今この場で…裁いてあげる…」
あたしが殺気を全開にすると相手の男は少し後退りして…
「上等だコラァ!!かかってこいや!!お前ら出てこい!!」
―――ドカッ!!ガラッ!!―――
強引に扉を開けて来たのはさっきのやんちゃ顔を合わせて15人。
つーか…
せっかくの綺麗な校舎が貴様らの汚い靴で汚れちまったじゃねぇか…
どうしてくれるんだよ…
「…貴様ら…15人に5分以内で勝ったら…この校舎隅々まで綺麗になるまで掃除しろよ?」
「…ふん…女一人で俺達を倒せる訳ねぇだろ!!おいお前らやっちまえ!!」
ダッ!!
あたしに向かって6人の男の塊と、あたしの後ろに7人の男の塊が襲ってきた。
はぁ…
全国No.1の族が情けない…
女一人に男15人とか情けなさ過ぎるし、
…貴様らそれでも全国No.1の総長の下っぱか…
「…よそ見してんじゃねぇぞ!!」
ヒュンッ!!
あたしは反射神経で相手の男の腕をかわす。
……つーか。こいつら攻撃にしか頭にないし、動きに無駄があるし、ダメダメじゃねぇか。
ちゃんと教育しなきゃ駄目だろうが、秋川皇雅の奴。
よし、さっさと終わらしてやろ…
「…貴様ら…全員まとめて掛かって来な…一瞬で…終わらせてあげる…」
「…上等だコラ!!」
一斉に15人が襲ってくる。
「…おせーんだよ。ばーか」
――――ヒュッ…ドカッ!!バキッ!!―――――
「…うわぁ…っ…」
「…ぐっ…」
「…あぁっ…」
次々と倒れる男達。
そして…
1分もしないうちに全員倒れてしまった。
「…弱いんだよ…おい…見てみぬフリか?
秋川皇雅……」
あたしがそう言うと、教室のドアから秋川皇雅と幹部達が出てきた。
「…あ〜あ、バレちゃったね〜皇雅〜!!」
「…知らねぇよ。そもそも蕾稚が優をガン見してんのがいけねーんだろ」
「そうですよ。元々は蕾稚が優をガン見してにやにやしてたのがいけなかったんですよ」
「なんでよ〜っ!!優ちゃ〜ん助けて〜っ!!」
「…助けねぇよ。つーかてめぇらの下っぱなんとかしろよ」
「…あ〜…優ちゃんやり過ぎだよぉ…」
「…は?」
見るとそこには、怯えた炎龍の下っぱがいた。
「…ほらね〜?優ちゃんやり過ぎは気を付けようねぇ〜?」
あーあ…
抑えたのに…
つまんないの…
だから蕾稚にはこう言っといた。
「…気が向いたらな」
「いや…蕾稚、優はちゃんと手加減してたぞ?」
「えっ!?嘘でしょ!?優ちゃんほんと!?」
だからなんで櫂はあたしの事がわかるんだ?
「…あぁ」
「…下っぱで一番強い楓斗を手加減しながら倒しちゃうなんてね…凄いね優ちゃん!!」
「…そうか?つーかお前らはあたしを誉めてる暇があったら下っぱの教育をしておけ」
まぁ…これで言いたい事言えたしそろそろHR始まるだろ。
―ガラッ!!―
「――はーいHR始めるぞ〜席つけ〜」
いきなり教室に入ってきたのは20代前半のイケメン。

