注文したケーキと紅茶が席に届き、自然と笑顔がこぼれた。
俊弥の前には、アイスコーヒー。
カランカランと心地いい音を立て、ストローでかき混ぜると一気に半分ほど飲み干した。
「ふぅ~っ。やっと落ち着いた」
背凭れに寄りかかると、私がケーキを食べる姿をニコニコと眺めている。
「あんまり見てたら食べにくいじゃん」
途中まで口に運んでいたフォークを止めた。
「珠樹って、本当に美味そうに食うからついつい見ちゃうんだよな」
にっと大きな口で笑う俊弥。
そんな笑顔向けないでよ。
そんな風に見つめないでよ。
一生懸命、平気なふりしてるんだから。
そう、もうずっと、ずぅーっと平気なふり……。



