小学四年生の春だった。


千尋は アタシと同じ苗字になって
同じ小学校の 隣のクラスに転校してきた。


「キョン 二組にめっちゃイケメン
転校してきたんだって~鈴木 千尋 って子
見に行こうよ~」

オマセな女子たちは大盛り上がり
いつもならその仲間に入るんだけど……

兄妹だなんて知れたら大変だ

「後で 見て来るよ」

とやり過ごす・・・・・。


幸いに ありふれた苗字の二人は
そう詮索されることもなく

周りの好奇の目にはさらされずに過ごしていた。


千尋はいわゆる ツンデレ系で 学校ではクール系
だけど


「ごはんよ~」

新しいおかあさんは お料理上手
競うように食卓につくのが いつの間にか日課だった。


アタシは自分の皿を守るべく
そして千尋は アタシの皿から おかずを取るために


お互い押しのけながら食卓の椅子に座る。