キライノカケラ

「あなたのためですよ・・・・
元の場所へ戻ればいいじゃないですか
タイミング間違ったら あなたは不幸になりますよ」


アタシは千尋にしがみついた。


「わかった・・・・・
お互いこれ以上騒ぎ立てるのはやめよう
これからは上司と部下で何の関係もないからな」


そう言うとネクタイを直して
逃げるように車に乗り込んで去って行った。



「終わった・・・・・・」

力が抜けた。


「どうなるかと思った・・・・怖かった」


急に涙が溢れた。


「男を甘く見たらだめだぞ
これからは 自分を大切にしなきゃ・・・・」


千尋の声はとても厳しい声に聞こえた。


「怒ってる?軽蔑してるでしょ?」


「あんな男最低じゃん
ありえない・・・・・・」


どこから千尋はいたんだろう
聞かれたくないあの会話も聞かれてしまったのか


「自分も最低だから
最低な男しか近寄ってこないの」

情けない・・・・また千尋の前で泣いてしまった。