キライノカケラ

「何を怒ってる?最近おかしいぞ」


「冷たいし・・・・離してよ!!」


「ま いいや 部屋でゆっくり・・・・すねてる
お姫さまの文句でも聞いてやる」


アタシを車に乗せようとしたから


「もう終わりにして……」と言った。



「ん?何?」


「もうやめよう。こんなことしてたって時間の無駄だし・・・・」


「どうした?俺に妻がいても 今日子はすねるような女じゃなかっただろ?」


「でも もうイヤなの・・・・
あなたも早く奥さんのとこ戻って」


「妻とは別れないよ
だけど 今日子とも別れない・・・・・
妻は出世のために必要だし 今日子は俺のために必要だ」


「アタシには必要ないもん」


「俺が?嘘つくなよ。
今日子の喜ぶこと全部知ってるよ俺
泣いてもっともっとって言うとこも 失神するくらい
興奮させることだって……」


そう言うと飯田はアタシの耳たぶを甘く噛んだ。


「やめて!!」
アタシは必死で飯田の厚い胸板を押す。