「恋人とか……いないの?」

アタシが聞いたら

食後のココアを飲んでた千尋が


「あっちぃ」
と言って 悶絶した。


「何?そんなに驚いて」


「イヤイヤ……突然その話になるからさ
いないよっていうか 暇も時間もなかったし……」


恋人がいないって言う言葉に喜んでいいのか悪いのか


「ね……」


「ん?」


「まだ 引きずってるの?花ちゃんのこと……」


沈黙の時が過ぎる


「絵本見ていた千尋が 悲しそうだったから……」

沈黙に耐えきれず言葉を探した。


「あはは・・・
何だろうな~花以上の子に出会ってないって言うか
今も俺の隣にいるような気がして
不思議と独り身も悪くないんだ」


千尋がもっとちゃらんぽらんな人間だったら
よかったのにって思った。