あれから アタシは 家族として 千尋のそばにいた。


必死に 必死に 心を隠して
自分を偽って 


千尋に必要なのは 女じゃなくて 


家族としての アタシだったから・・・・・・



花の真っ白な雪のような 骨をアタシもひろった。


「千尋・・・・ありがとうな」


小さな箱に入れられた花を 千尋が胸にいだくと
両親が近づいてきて 頭を下げる。


「悲しい思いをさせてしまって・・・・
どうか花の分まで時間を大切にして生きてほしい」


父親がうなだれる千尋の頭を静かに撫ぜる。


「こんなことになってしまったけど
千尋に出会って 花は幸せな思い出を一杯持って
微笑んで天国に行けたはず・・・・・・
これからは俺たちも千尋を応援するから」


「う・・・・う・・・・・」


必死にこらえていた思いがまた爆発して
千尋は花の遺骨を抱きしめて泣きだした。


「ありがとう 千尋・・・・・・」


花の父親に肩を抱かれて 千尋は今にも
倒れてしまいそうだった・・・・・・。